90歳でジムに・・・
暑い夏だった。9月に入り朝夕は心なしか涼しくなってきた気がするが、
まだまだ日中は暑い。散歩に出られない日がずっと続いている。
刻々と変わる空模様。冷房の効いた部屋のガラス戸から北西の空を眺める。
何度目かの「忘れ物外来」受診。
先生にお願いをした。
最近、連れは薬でよくむせる。
特に大きい薬は嫌がって飲みたがらない。
つぶしてみたり、お湯で少し溶かしてみたり、色々工夫はしているが、
薬の種類がどんどん増えていくので悩んでいる。
同じ住人が朝食の後、薬をテーブルの上に並べていたので、
何個あるの?と聞いたら12個と答えた。びっくりする多さだ。
連れも・・・
慢性的な皮膚掻痒感と発赤の為、ステロイド・アレルギー剤。
腰椎圧迫骨折など、骨密度の低下のため、カルシュウム剤。
脊椎管狭窄症による疼痛のため、鎮痛剤と胃の薬。
食欲増進剤。
便秘の薬。
前立腺の薬。
認知症の薬。 などなど・・・
出来るなら薬は最小限に抑えたいと私は常々思っているので
先生にお願いしてみた。
「主人も90歳になるので、これからは薬はなしにして、様子を
見ながら普通に生活していきたいと思っているのですが・・・」と。
「これから気候も少しずつ良くなってくると思うし、散歩したり、
楽しみにしているリハビリ専門のデイサービスは回数を増やしたり、
施設に付属しているジムを私と一緒に利用したり、お喋りは好きなので
外へ出る事で他人との会話も楽しむ機会を作っていきたいと思って
いるのですが・・・」と。
先生は快く承諾して下さり、今後もし困った事があったら、いつでも
相談に来て下さい。との事だった。
尊敬すべきドクターだと思う。
こんな近くに、こんなに本格的なジム施設があるのに、今まで全く
興味が湧かなかった。今回薬の代わりになるものはないかと考えた時、
ふと頭に浮かんだのがジムである。
しかもこの施設に入居者している人は費用が格安である。
自分の好きな時間に好きな時間だけ使用できる。
難しい器械は使わなくても、ウオーキング・自転車漕ぎ・四肢の筋肉を
つけるマシーン位で充分だと思う。
子供に相談したら、心配性の虫がまた騒ぐ。
最初だけトレーナーについてもらって、マシーンの使い方や
自分にあった強さなど教えてもらうので大丈夫だと説得する。
「90歳にしてジムを始める・・・」なんて、言葉にすると恰好良い
ではないか。・・・」