nenaの気まま日記

日常でふと思った事感じた事などを気ままに書いて見る事にしました。

名前を覚える

名前を覚える


ここには100名以上の高齢者が住んでいる。
私は下の食堂では夕食しか食べないので、すべての
人達にお会いするわけではない。


展望風呂で、エレベーターの中で、外出時に玄関の
ロビーなどお会いした時に名前をお聞きし、
次回からは出来るだけ名前で呼びかけてあげる事に
している。


これは、現役で看護婦という仕事をしていた時に、
若い看護師さん達に、まず患者さんの名前を覚えましょう、
名前で声掛けをしてあげましょう、と指導してきたので
その思いが今もあるからだと思う。


私の得意わざは、一度お聞きした名前は覚えてしまう事。
姓の時もあるし、名の時もある。


しかし、ここには普通のようであるが、普通でない人もいる。
一人黙々と生きて、話する事を嫌がる人もいる。
そこは臨機応変に・・・
何事も無理はせず、押し売り親切はせず、深入りせず、
つかず離れずを頭において行動をしようと思っている。


最近夕食事時、私達のテーブルにいつもくる女性がいる。
大きな病気を三つして、現在の体重は34kg。
見ていて痛々しい表情をいつもしている。


お会いした時の挨拶は
「まだ、あの世からお迎えがこないの。早く死にたいのに。」
「息子が三人いるのに、こんな老人ホームに放り込まれて・・。
 ここは墓場だ・・・」といつもこぼし怒っている。


私は・・・
「Tちゃんは、ここが墓場だというし・・・
主人はここは年寄りの坩堝だというし・・・
私はここは天国だと思っているのに・・・」と言って笑う。


彼女も釣られて笑う。
「笑うとTちゃんは美人ね! 可愛いわよ!」と褒める。
事実顔立ちはいいので、もう少し体重が増えたら本当に
美人になると思う。


残りの人生は、この場所で私達を必要とする人達がいたら
少しでも役に立ちたいと思っているので、
愚痴でも何でも耳を傾けてあげようと思う。



写真は昨日の夕焼け。養老山嶺に沈む夕陽。